<実践編>補助輪なしの自転車指導のポイント
前回の記事で子供の自転車の選び方と指導するためのコツを紹介しました。
リハビリの専門家からみた子供用の自転車、ストライダーの選び方、指導のコツ - ととLUCKY
特に指導のコツとして「足こぎ自転車で走れる、足が離せるほどのバランス」と「開始姿勢が取れる」が大切なことを説明しました。
ただ補助輪なしの自転車を練習する時にスムーズにいくと言っても、親は何もせずに見てるわけにもいかないところ。
前回のポイントができた上でそれでも「最初の数こぎ目で足がついてしまう子」の手伝うポイントを紹介します。
tips1:1こぎ目で加速できているかを確認する
1つ目は加速ができているか確認します。ランニングバイクから1回り大きい自転車になり加速が不十分になっている可能性があります。
またペダルに慣れていないことも原因の1つにあるかもしれません。
本来はしっかり踏み込めば反対の足は自動的にサドルに乗るものですが、経験がないので「急いで反対の足をサドルに乗せよう」と意識が向いているかもしれません。
加速不足の時は腰を軽く支え、加速を手伝ってみると評価できます。
tips2:加速は十分なのにすぐ足をついてしまう場合
ランニングバイクを使わず自転車を始めた子は「自転車の加速・速さに慣れておらず、自ら減速してしまう」というのもありますがここでは割愛します。ペダルを外して足こぎで慣らしてくだだい。
加速は十分。サドルや腰を支えているのに肘が引けてしまいすぐ足をついてしまう場合があります。その時は上半身をチェックします。
- 実は曲がっているのは肘ではなく体幹
- 肩甲骨の「立ち直り反応」が重要
- 腰ではなく胸を支える
実は曲がっているのは肘ではなく体幹
実は肘が曲がることよりももっと大事なポイントがあります。それは上半身です。
上半身が曲がると、同じ側の肘は曲がって後ろに引けます。
逆に曲がった上半身が起こせるようになると肘は自然に伸びます。
そのため観察すべきポイントは肘ではなく上半身になります。
肩甲骨の「立ち直り反応」が重要
自転車を安定してこぐには「立ち直り反応」という人が本来持っているバランス反応が関係しています。
簡単にいうと「腰から下が傾いても上半身(肩のライン)が水平を保てる」という機能です。
ランニングバイクに慣れるとこの立ち直り反応は自然と身につきます。
しかし初めてペダルに足を乗せてこぐ場合、足こぎの時よりも股関節と骨盤が大きく動きます。しかもランニングバイクからより大きな自転車に変わったばかりなので少し練習が必要になります。
この時サドルや腰を支えてもその上が曲がってしまうと結局肘が曲がるので足が着いてしまうでしょう。
そのため「立ち直り反応」をサポートすることが重要です。
腰ではなく胸を支える
ポイントは肩甲骨です。肩甲骨の下部に手がかかる高さがだいたい胸の高さです。
しかし胸をがっつり支えるわけではありません。胸の子供の邪魔にならない高さで軽く支える程度にして、上半身が曲がった時にサポートをします。
具体的にはバランスが崩れると上半身が曲がると介助している手に体重がかかります。
その時に体がもっと曲がらないようにサポートします。体が起きると肘も伸びてきます。
慣れると少しずつ支える量が減りますので、子供とどのくらい支えた方がいいか相談しながら介助します。
注意点
子供の胸の高さで支えようとすると、かなり手が届きにくいです。
できるだけ子供に近く必要があり、自転車をこいでいる間は親はガニ股で走るような格好になってしまいます。
頑張れお父さん!
どんな自転車がいいかはこちらをどうぞ。
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